むにむに製作所 着ぐるみマスクカスタムレビュー vol.2(初音ミク カスタム編)

先にTwitterで公開しましたが、去年に死蔵していたマスクをカスタムした話を書きましたが、そのあと真面目になんか版権キャラをカスタムしたいな、と思い立って、別のマスクをベースに初音ミクのカスタムを作りましたので製作レビューなど。
今回もむにむに製作所のソフビ面をベースにしています。使ったのは、ビューティーEXタイプです。
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前回からの変更点
まず、去年のレビューを書いた後、作り方の反省や再検討をして今回の製作にあたり、色々手順を変更することにしました。

ウィッグベースは作らない
ウィッグベースはドールからきている発想ですが、そもそもそんなもので作っても後頭部の形状は量産ドールと違って統一化されてないから意味がない、ということに気が付いてなくすことにしました。ウィッグベースをつけた状態では取り扱いは簡便にはなるのですが、ベースとヘッドの境目が結構気になるというデメリットもあるのも理由です。一応ウィッグで隠れるのですが、ないにこしたことはないですからね。
そのため、直接ヘッドに穴をあけて、ウィッグ取り付け用のスナップボタンをつけるようにしています。この相対配置を共通化することで、違う形状の着ぐるみヘッドでも問題なく簡易に脱着、かつ強力に固定できるようになりました。ここに掲載した動画のように首をぶんぶん降ってもツインテの重量に負けてウィッグが抜けることはありません。そんなわけで、前に作ったヘッドでも今回のタイプに合わせて取り付け方法を修正しましたので、今回作ったウィッグを装着できますし、逆も可能です。
覗き目穴を作る
前作を作ったあと、全身肌タイツも作りましたので、実際に仮撮影してみたのですが、どうも撮影すると顔が上向きになる。。と思ったら、アイホールが実際の目の位置よりはるかに下にあるので、目の位置を合わせるために上見がちになるのが原因でした。
撮影するのに色々不都合なので、カスタムアイのデザインをするにあたり、ここは使わないことにしました。アイデザイン制約も出ますしね。今回は眉毛のところに穴をあけています。
二つのウィッグの結合方法
最初のバージョンでは強度不足を怖がって下地の布をベースにウィッグを縫いつけて、それを結合することでニコイチを実現していましたが、実際に作ってみてそんなことをしなくても問題なかったので、今回は直接縫い合わせを行っています。そうすることで、伸縮度が上がるので装着のシルエットがよくなります。

あとは、今回のヘッドカスタムについて説明を進めます。
ヘッド後頭部パーツの接続
まずヘッドの後頭部にくっつけるプラパーツですが、このヘッドの場合、このパーツのヘッドとのつなげ方は前回使ったヘッドよりも、ヘッドの深さが浅いので後頭部パーツはテープでくっつける場合には、ソフビとプラパーツを重ねないでつなげるのが仕様です。そうすると前の直接パーツをねじ止めする方法は使えませんので、結合用に0.5m厚のプラ板を足して結合用のジョイントとして使うことにしました。これで、後頭部プラパーツをサンドイッチすることでソフビと後頭部パーツをねじ止めします。これで、完全に一体化した強度のあるヘッドが出来上がります。
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ウィッグの製作
今回もウィッグはニコイチで作ります。ベースはアシストウィッグのPremiumシリーズの加工用ウィッグでターコイズ色を選択しました。加工用ウィッグは、ウィッグの根元にふかしというウィッグボリュームを上げる綿状にウィッグ毛が加工されたものが入れられていて、これにウィッグをうまくかませると立体的な形状に盛ることができる特別製です。
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まず、ベースとなるウィッグの後頭部を切ったあと、差し込む片方のウィッグを切って縫ってつなげます。つなげるのはウィッグを縦につないでいる部分で、そこを30~60番の太目の糸で縫いつけます。手持ちのミシン糸ではレジロンの#50が緑色であったので、それを使って手縫いで縫い付けました。
また前髪部分も2つをずらして重ねて前髪を伸ばすように縫い付けて、ボリュームを追加します。これは初音ミクの特徴的な前髪を再現するために必要です。
ウィッグを繋げたら、裏からスナップボタンをつけてヘッドに結合できるようにします。今回もスナップボタンは頭頂部に25mmの大型ボタンをつけて、あとは左右と後頭部に14mmぐらいのものをつけました。
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ウィッグのスタイリングは、アシストウィッグで公開しているふかしを使った盛り方動画を参考にしてやっています。
原理としては、表面にかぶせる部分と盛る部分をヘアクリップでわけて、盛る部分は櫛で引いてもじゃもじゃしてボリュームを上げた状態で、形状を整えつつウィッグ固定スプレーで固定します。そのあと、ヘアクリップでよけておいた表面にかぶせる部分を戻すという感じです、そうすると、みため表面が固めていないように見える形で自然に形状を作れます。あとは表面の毛の先端だけウィッグ固定スプレーで固めてあげて固定します。ただ、そうやってもあまり位置を曲げるとバラけてしまうところもありますので、そういう場所は先端だけほんの少量の透明ボンドでその位置にある髪の毛にくっつけます。
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実際の正しい初音ミクの設定では、初音ミクのツインテは後頭部からわけて結い上げなのですが、これを真面目にやるのはかなり大変なので、今回は行っていません。実際に行う場合には髪の毛を分けてもウィッグのベースが透けない、アシストウィッグの高密度植毛されたウィッグを使う必要もあります。単純に後頭部はボブカットして、ツインテはバンスでお茶を濁してます。
髪飾りとヘッドフォン
こちらも今回作成しました。安易にコスプレ用のが使えないかなと思って、アシストウィッグで売っているものの寸法図をみたのですが、髪飾りは兎も角、ヘッドフォンは着ぐるみの頭だとヘッドが大きすぎて装着できないことがわかったのと、おそらく人間用を使うとイヤー部分が小さすぎるだろう、ということで自作することにしました。
ヘッドフォンはタミヤの白色プラ板 0.5mm厚と0.3mm厚で外形形状、中身はダイソーで売っている5mm厚ぐらいの高密度発泡スチロール板を4枚程度積層して作っています。
プラ板同士はタミヤのプラモ用接着剤、及び流し込み接着剤で接着し、発泡スチロール板同士、あるいは発泡スチロール板の接着は発泡スチロール専用接着剤で行っています。基本は同じスチロール樹脂なので、どちらの接着でも同じ接着剤が使えるのですが、プラモ用は濃度が濃すぎるので発泡スチロール板に多量につけると板が溶けて穴が開いてしまうので要注意です。
まず型紙を作ってから、それに合わせて平面部分は厚めの0.5mmで作り、曲面部分は0.3mm厚のもので作ります。このぐらいの厚みですと、ハサミやカッターで簡単に切れますので、簡単に形状を作れます。また、ここで使う接着剤は速乾溶着タイプなので、接着後にすぐに強度が出ますし、流し込みすれば垂直に板を結合することも可能ですから、今回のようなヘッドフォン形状は簡単に作ることができます。
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表面の赤や黄色のイルミネーション部分は形状を作った後に、その部分の穴をあけた0.5mm厚プラ板をもう一枚張り付けて、それによりモールドを形成しています。この状態でヤスリがけしたあと、黒サフを吹いて再度磨いたあと再度サフをふいて、塗装です。
赤部分はガイアカラーのプライマリーレッドメタリックを塗装するだけのつもりでしたが、赤色の濃さが足りなかったので、さらにクリアーレッドを塗装しています。そのため、結局のところはキャンディ塗装ですが、ベースにプライマリーレッドを使っているのでムラにはなりにくいです。黄色部分は十分に発色してくれたのでプライマリーイエローのままです。いつもなら、ここでさらにクリアーを吹いてオーバーコートするところですが、例えば落下破損などしたときの修理するときの部分再塗装で邪魔になるので、今回はオーバーコートなしにしています。
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マイク部分は5mmの角棒を4本束ねて接着し、あとはヤスリで形状を整えて塗装しています。緑の部分は蛍光グリーンで塗装です。それに穴をあけて、園芸用の3.5mmアルミ線に熱収縮チューブを被せたもので、イヤーホーン部とつなげています。
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ヘッドフォンを繋げるバンド部分はスチールに黒塗装された長さ50cmの穴開き曲げ板(曲板チドリ)を使っています。これを適切な長さで切ります。さらに耳当てに取りつけできるようなミミを1.2mm厚のプラ板で作り、それを耳当てに接着し、ねじ止めできるよう穴をあけてつなげます。このままですと見た目がダメなので、ラリッサという光沢のある分厚いエナメル加工された生地を外表で筒状に30番の太い糸で外表で縫い合わせたあと、さらに両端にステッチを入れて平らな形状に修正したものをかぶせます。
髪飾りもプラ板を積層して作っています。こちらは1.2mm厚のものを黒部分は三枚積層して、赤の部分は積層しない形にしてモールドを形成しています。角の接合は流し込み接着剤で流し込んでいるだけですが十分に積層することで強度が出ます。なお、1.2mm厚のプラ板は普通のハサミやカッターでは切れませんので、アクリルカッターで切断します。塗装についてははヘッドフォンと同様です。
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アイ
今回はアイもカスタムで作りました。基本的にはむにむに製作所の公式サイトで案内されているような方法で、PCでデザインしたアイを伸びるシールの上に印刷して、それをアイプレートの上から張り付ける方式です。なお、アイプレートはすでにシールが貼ってあるものとカスタム用で貼っていないものが売ってます。後者があればよいのですが、前者を使ってもシールは簡単に剥がせるので問題ないです。なお、シールの糊が多少残るときもありますが、前回は素材がよくわからなかったので、溶剤をつけるのにかなり躊躇していましたが、色々試したところ無水エタノールでもシンナーでも特に割れることはなかったので、あまり気にしなくてもそこらへんを使ってきれいにしてよさそうです。
デザインのためのソフトとしてはうちにはPaint系のソフトはPhotoshopやクリスタがあるのですが、こういう幾何学模様をデザインするのに使うイラストレーター系の市販ソフトがありません。そのため、今回はフリーソフトのInkScapeを使ってデザインしています。このソフトは今回初めて使ったので、かなり癖のある仕様から結構試行錯誤しましたが、なんとか今回のデザインにもっていっています。↓が最終的に完成したデザインです。
むにむに製作所の公式サイトではアイの形状が描かれているデザインシートの画像データが配布されていますので、それを基底レイヤーにおいて、その上にデザイン用のレイヤーをかぶせて、プリンターの能力に合わせて300dpiぐらいで印刷したときに実物の大きさと同様になるぐらいで画面設定をして描きます。
ここらへんは、普通のドールのレジンアイのデザイン設計にも使えそうなので、そのうち作ってみるつもりです。
今回使った印刷シールは、A-Oneの「ぴったり貼れるのびるラベル 白フィルムタイプ」で印刷に使ったのはEPSON EP-706A(純正インク使用)です。一応この組み合わせで印刷はできるのですが、結構フィルムに塗布されているインク固定用素材の問題か見た目荒く印刷されてしまうので、近づいてアイを見ると汚いです。ただ、着ぐるみ用途では離れてみることが普通ですし、写真に撮るとわからなくなるぐらいなので、実用上は十分でした。
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ただ、印刷面は水分に弱いのでアイプレートの上に張った後は、ラッカーのクリアーでオーバーコートしないとダメかと思います。
メイク
メイクは前回と同様にラッカーで手書きして、チークはおおむねエアブラシで入れて、パステルで微調整しています。唇だけは、パステルをいれたあとにクリアーでオーバーコートです。基本的にはドールメイクの技術で描いてますので、特に目新しいことはありません。
ヘッド内部の緩衝材
前回は装着まであまり考えてやっていなかったのですが、今回は入れました。カインズホームでどでかいクッション(固めのスポンジ)が安く売ってたので、それを切って使っています。
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着ぐるみ用肌タイツ
着ぐるみ用全身肌タイツも市販品を買ってもよかったのですが、折角なので自作してみました。布はCLOTHiCで売ってた2Wayのストレッチのレオタード肌色生地を使っていますが、厚みがかなりあるので硬いのと伸縮率も20~30%ぐらいで追従性が悪かったので、ちょっと生地選択はよくなかったですね。おかげで何度も試着・調整する羽目になりました、、、。厚い分、肌の隠蔽はよいのですけども。たぶん、肌タイよりも偽乳用ブラを作る時などの方がいい生地ですね。すごく丈夫な生地なので。
なお、基本的には縫い合わせ強度と伸縮度が重要なので、可能な限り縫い合わせはすべてロックミシンで行っています。普通のミシンを使っているのは指先など特定部分だけです。
そんなわけで、一通り作ったのでお部屋で自撮りなどしてみました・・・が撮影が難しいです。うちにあるレンズはドールのポートレート向けの50mm前後のものばかりなので、こういうのに向いてる35mmがないのですよね。ズームレンズで調整して撮ってましたが、結局納得いかないので、最終的にスマホで最後は全部撮ってました。正直、そっちで撮ってた方がうまく撮れるという・・・。まぁ人物ポートレートは慣れてないから、自分は撮影が下手くそなので、そういうときは全自動なスマホの方がきれいに撮れますね。
なんか色々撮っててやっぱり初めてなので楽しいですね。でも、こうなると野外撮影までしたくなり、泥沼になりそうなので、これで止めておきます。
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